映画でモテる問答集!

2013年06月12日

第8回「降り続く雨粒が輝かせる、オレというダイヤの原石」

小粋な小噺を聞いてくれ

どうもこんにちは。
オノセタイチロウ★ミ(シューティングスターと読みます)です。
いきなりだけど、ちょっと聞いてくださいよ。

今、よくわかんねー映画連載をやらせて頂いているこのぼく。
もともとはこの、ピコピコカルチャージャパンの一読者でした。




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ピコカルっておもしろいよね!



カフェよりも大衆酒場。
マカロンよりも厚揚げ。
カプチーノよりもホッピー。
もっと言うとハイッピー。
が好きなぼくがピコカルで連載されている「大衆居酒屋ベスト1000」に心酔するのは綺麗な薔薇には棘があるっていうのと同じくらい当然のことでした。

ある日、仕事中にサボッてピコカルを読んでいるときに「一緒に面白い事をしたい人募集」という文字を見つけました。




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↑コレ。



「パリッコさんと一緒に大衆居酒屋に行ってみたい!」
「早く老人になりたい」の鈴木ナオさんと一緒に深夜徘徊してみたい!
ということでダメ元でメールをしてみたら何故かライターとして連載を持たせて頂くことになったんですね。

そういう経緯があるぼくなのですが、つい最近パリッコさんやナオさん、「墓場の漫画Digger」の服部先生や編集さんと飲ませて頂く機会がありまして。
しかも二度も!




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パリッコさんと。いい表情してらっしゃる。





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野良ビアガーデン。編集のマナブさんとナオさんと。



一読者であったぼくが、同じ場所に立てた!
もう憧れの鳥山明先生と同じジャンプで連載決まったときの尾田栄一郎先生やSEX PISTOLSに加入したシド・ヴィシャスのような気分ですよ!
規模は全然違うけどさ!

ぶっちゃけこんなの、映画を紹介するにあたって一個も書く必要なんてありません!
でも誰かに言いたかった!
ごめん!




そんなこんなで今回は『言の葉の庭』です!

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製作:2013年 日本
監督:新海誠(『秒速5センチメートル』『星を追う子ども』)
声の出演:入野自由(「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」)、花澤香菜(「化物語」)
配給:東宝映像事業部
上映時間:46分(+同時上映の短編作品7分)


言の葉の庭

*** 5/31(金)より上映! ***



予告編はこちら




あらすじ




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俺たちの梅雨は、まだ始まったばかりだ―











いつも通りの、映画でモテる問答集のお時間です!

問)どういうこと?
答)雨の日の逢瀬のお話。

補足:打ち切り漫画みたいな書き方をしてしまいましたが、ご説明しましょう。




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歩くこと(=生きること)の手助けを志す少年。



靴職人を目指す高校生、孝雄(タカオ)。
雨が好きな彼は、雨の日の一限の授業はサボって公園で靴のデザインをして過ごす習慣を持っている。

その日も雨だったから、公園に向かった。
そしたら、彼女がいた。




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歩き方(=生き方)を忘れてしまった大人。



朝から日本庭園でチョコレートをつまみながら缶ビールを飲む彼女は大人だけど、ちょっとちぐはぐな感じがした。
名前も、年齢も、仕事も知らない彼女と、雨の日だけの約束のない逢瀬。

季節はまだ6月。
梅雨が始まり、雨は増すばかりだった。










問)監督はどんな人?
答)新海誠監督!

補足:美しくクオリティの高い映像に定評があり、国外にもファンが多い新海さん。
“世界で活躍し『日本』を発信する日本人”として、内閣から感謝状までもらってます。

新海さんの映像はもう、兎にも角にも美しい。四の五の言わずに美しい。
ぼく個人的には“世界で一番綺麗な映像を作り出すアニメーター”だと思ってます。
新海さんの作品見てると、あまりの綺麗さに鳥肌立つことも珍しくないです。
「ぞわっ!!」と来ます。

代表作は『秒速5センチメートル』など。




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ゲーム会社に勤めながら、たった一人で制作した短編アニメ作品がCGアニメコンテストのグランプリを受賞。
その後、会社を辞めフリーランスとして活動開始。

相変わらずほぼ一人で、監督から脚本・演出・編集など担当した2作目『ほしのこえ』では様々な賞も受賞し、個人規模で制作された作品としては異例の全世界で10万枚以上のセールス!

ちなみにアダルトゲーム、いわゆるエロゲーのOPムービーもいくつか制作しているんですがそれもまあ大層お綺麗なんですよ。




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3分ほどで美しき新海ワールドを堪能できる素晴らしい作品なので興味ある方は是非ご覧になってください。
エロゲのOPだからってエッチじゃないから大丈夫だよ!

その@「ef ― the first tale.」
そのA「ef ― the letter tale.」










問)なんでキャッチコピーのところ、“恋”じゃなくて“孤悲”って書いてるの?
答)日本には、“恋愛”なんていうものがなかったのさ。





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/な、なんだって!?\



補足:むかしむかし。
聖武天皇とか大宝律令とか、和同開珎とか平城京とかの頃。
中国から漢字が入ってきて、それまで喋っていた言葉に漢字を当てはめました。

「はな(花)」は「波奈」
「ゆき(雪)」は「由伎」
そして、「こい(恋)」は「孤悲」。

「恋愛」という概念が日本に輸入され、その言葉が作られたのは明治。
それまで日本には心から繋がる恋愛なんて考えすらなく、ただ孤独で悲しい恋があるだけ。

“遠距離恋愛”や“夢と現実”など、毎回様々な形で人と人との距離(ギャップ)を描く新海監督。
今回は、少年と大人という“年齢差”と“社会的立ち位置”という距離の恋愛に至る前“孤独で悲しく誰かを求めている”物語を描いています。










問)雨が降り続く孤悲の物語って、つまり暗い映画なの?
答)そんなことないんだぜ!

補足:映画でもドラマでもマンガでも、暗いシーンで使われること多いですよね。
誰かが死んじゃったところとか、失恋とか落ち込んだときとか。




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『魔女の宅急便』の「私このパイ嫌いなのよね。」のシーンとか。



でも本作では、暗い雨だけじゃないんです。
夕立、小雨、雷雨。
雨脚や風の強さや、光の入り具合などで、事細かに二人の心の動きを表現する雨。

例えば、「今日は雨だからあの人に会える」というシーンは、決して暗い雨空じゃない。
二人の距離が近づくシーンでは、光のカーテンが差す天気雨。




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元々、新海監督が描く空とか光とか雨とかって非常に綺麗なんですが今回は特に雨が重要な要素ということで数千枚も雨の参考写真を撮り、最新のデジタル技術を駆使し「空気中を落ちている素粒子の見え方にもこだわった」というくらい力の入った雨描写です。
綺麗過ぎて度胆抜かれますよ!











問)映像以外の注目点は?
答)音にも注目して頂きたい!

補足:音もいいんですよ。美しい映像をより良いものに。

今作の音楽を手掛けたのはKASHIWA Daisukeさん。
これまでの新海監督作品の音楽を担当していた天門さんとは別の人です。
これまでのももちろん素晴らしい!でも今回のも素晴らしい!




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KASHIWA Daisukeさんは、エレクトロニカ・ポストクラシカルのアーティスト。
「銀河鉄道の夜」や「走れメロス」をモチーフとした楽曲を発表するなど独自の世界観をお持ちで、あの世界の坂本龍一氏にも評価された人!

ぼく、もともとKASHIWA Daisukeさん大好きだったんですけど…
まさか新海監督の作品で音楽担当したって知った時はそらもうビックリしたわー!
でもピアノを基調とし、まさに“雨”のように時に穏やかに時に激しく響く楽曲は映像にも非常にリンクしていて素晴らしい出来栄え。
そして、ウィスパー気味に“音”として響く登場人物たちの声。
画と音、どちらも良い方向に作用し、たまらなく切な素晴らしい空気を作っています。


※KASHIWA Daisukeさんに興味ある人いらっしゃいましたら、こちらの公式でちょこっと曲聴けるようになっているので、よければどうぞ!
劇中の楽曲と違う雰囲気のもあるけどね!

kashiwadaisuke.com










問)上映時間46分なの?
答)そうなんです!

補足:同時上映の短編作品『だれかのまなざし』と併せても53分!
ちなみに料金は1,000円!

突然なんですが…
ぼくたぶん去年とかDVD含めて年間400作品以上は観てると思いますし映画宣伝・配給の専門学校にも通い、そして今このように映画紹介の連載をやってます。
何故ならそれは映画が好きだから。

しかしね!
映画好きだからっつっても、ぶっちゃけ2時間映画観るのって多少なりとも疲れるのよ!
それだけじゃなく、2時間あれば他に色々なことができるわけじゃないですか。
飲み会やらカラオケやらショッピングやら。




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例えば、合成初心者のぼくがアプリ入れるところからこれが完成するまで2時間でした。



日本って遊びの選択肢は幅広いけど、自由に使える時間は少ない。
だから、ぼくは好きですけど、“映画”っていうものは敷居高いものだと思います。
わざわざ上映時間に合わせて劇場にいく手間もかかるし、鑑賞料金の1,800円だって決して安くはない。

だが!
46分で1,000円というのは非常に手軽に映画体験が出来る!
仮に貴方が、新宿で1時間ほど時間を持て余していて、そういうときにサクッと観れる。




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「どうしよう1時間を潰す方法が思いつかない…もう死のう。」なんて悩みはもう解決!



映画を評価する上で大体「映像」「シナリオ」「音楽」「役者」とか見るじゃないですか?
でもそれだけじゃなく、「映画の疲労度」とか「使い勝手」というのも結構大事な要素だと思うんですよ。
たまに映画館に行くくらいのライトユーザーの方であればあるほど。

ちょうど使いやすい時間で、お手頃な価格で世界有数のハイクオリティな映像と上質な雰囲気を堪能することが出来る。
映画との“付き合い方”の選択肢が増え、これまで映画館に足を運ばなかった人たちにもアプローチが出来る(かもしれない)。
これ、ぼくは素晴らしいことだと思います。

このようなユーザビリティの高い映画が今後も増えていって、もっと多くの方が映画に触れられるきっかけが生まれたらいいなと個人的には思います、はい。










問)はぁー。『言の葉の庭』、すっごい綺麗だったね!
答)君のほうが…綺麗だよ。

補足:きちんと彼女の目を見て、君は世界中のだれよりも何よりも魅力的であることを伝えること。
そう、それが例えば『事の葉の庭』で美しく描かれていたコンクリートジャングル・新宿よりも君のほうが綺麗だと。




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コンクリートジャングル・新宿
※歌舞伎町は出てきません。











そんなこんなで今回はここまで!
↑では触れられなかったけど同時上映の『だれかのまなざし』!




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これ、もともと野村不動産グループの感謝祭のために作られた作品だったんですが今回満を持して一般上映!
こちらも7分という短い尺ながら、ナレーションをキーに「未来」「家族の絆」という二つのテーマを描いた素敵な作品です!
『言の葉の庭』デートが上手くいって最終的に結婚することになったら、もう野村不動産さんで家買っちまいな!
読者の皆さんの「未来」と「家族の絆」、オノセも応援しています!
ではな!











問)オノセさん、なんであんなコラ画像作ったんですか?
答)酒のせいです!




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posted by オノセタイチロウ★ミ at 10:50| Comment(0) | 第1回〜第25回
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